堺市西区大鳥美波比神社 野代地車(先代)

皆様こんにちは。

昨日、野代にお住まいの方にお会いし、もうすぐ新調だんじりが出来ますねといった話題で盛り上がったので、今日は野代地車の記事を書こうと思います。

野代地車は、昭和末期から平成初期にかけての折衷型上地車新調ブームの先駆けとなった一台です。
流石折衷型だけあって、祭礼本番では直進を高速で駆け抜けること、安定したやりまわしを行うこと、地車の前方を上げてしゃくること等、様々なことをこなしています。

堺市西区大鳥美波比神社 野代地車

形式:折衷型
製造年:1976年(昭和57年)
大工:植山義正
彫刻:井尻翠雲・井尻信一
姿見

左が前方、右が後方

鳳の上地車ならではの仕様として、勾欄の上に役員の方が座れるようになっている点や、前方に閂が2本出ている点が挙げられます。

独特の仕様ではありますが、数年前に鳳地区から大阪市生野神社地車講へと嫁いだ野田先代は肩背棒やブレーキの改修を経て、現在も引き続き活躍しています。

側面より

枡組は控えめ。
上まで大きく続く角障子の影響でしょうか?見送りの高さがかなりある印象を受けます。

斜め前より

破風

植山工務店らしい角ばった形状です。

鬼板

上が大屋根前方、下が小屋根

大屋根後方は撮れず。
ガラス目は大屋根前方のみのようで、後方についているものとは少し雰囲気が異なります。

懸魚

大屋根前方
主懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『飛龍』

小屋根
主懸魚:『猿に鷲』
桁隠し:『麒麟』

懸魚まわりは昔ながらの獣の題材で固められています。

車板

大屋根前方:『宝珠を掴む青龍』
小屋根:『牡丹に唐獅子』

妻側の枡合は車板と一体になっています。
こちらも題材は昔ながらのものですが、かなり繊細に彫刻されており、素晴らしい作品です。

前方の右下付近に井尻信一師の銘があります。

車内枡合・虹梁

枡合:『鶴』
虹梁:『牡丹に唐獅子』

枡合・虹梁

右面大屋根側
枡合:『竹に虎』
虹梁:『牡丹に唐獅子』

右面小屋根側
枡合:『鶏』
見送り虹梁:『鷲』

左面大屋根側
枡合:『竹に虎』
虹梁:『牡丹に唐獅子』

左面小屋根側
枡合:『鶏』
見送り虹梁:『千鳥』

妻側同様、平側も屋根周りは獣の題材で統一。
小屋根側の鶏の彫刻は他ではあまり見ないものでしょうか?

木鼻

上が右面、下が左面
木鼻:『親子唐獅子』

全部で6体、親子になっています。

前方虹梁・水引幕

前方虹梁:『牡丹に唐獅子』
水引幕:『龍』

立派な水引幕がつけられています。

脇障子

右面:『加藤清正虎退治』
左面:『加藤清正山路将監討取』

脇障子はどちらも加藤清正の題材。

見送り

見送り:『難波戦記』

以下、見送り内人形の写真

角障子(前方側)

右面側の人物

左面側の人物

角障子(後方側)
摺出鼻

上が右面、下が左面
摺出鼻:『武者』

犬勾欄

犬勾欄:『親子唐獅子』

見送り内の犬勾欄をいくつか抽出、よい表情をしています。

勾欄合

前方
勾欄合:『松竹梅に千鳥』

右面
勾欄合:『松竹梅に千鳥』

左面
勾欄合:『松竹梅に千鳥』

縁葛

前方

後方

右面

左面

土呂幕

前方:『巴御前の勇姿』

後方:『平景清錣引き』

右面前方:『宇治川の先陣争い』

右面後方:『宇治川の先陣争い』

左面前方:『義経八艘飛び』

左面後方:『義経八艘飛び』

旗台

旗台:『猩々?』

あまりよく見えませんが猩々のように見えます。

下勾欄合

上が右面、下が左面
下勾欄合:『松竹梅に千鳥』

台木

台木:『波濤』

要所

①前方車板:井尻信一師の銘。
②枡組:二段出三斗、少し変わっていますね。
③乗車部:ブレーキはペダルではなく、レバーを引くタイプ。ディスクブレーキになっています。
④妻側台木:引き綱環は一つです。

金具

①破風中央:『唐草模様に梅鉢紋』
②破風傾斜部:『昇龍』
③兜桁・垂木先:『梅鉢紋』
④肩背棒先:『梅鉢紋』
⑤勾欄親柱付近、縁葛に唐草模様。


いかがでしたでしょうか?

新調地車の話題は随時配信されているのですが、現地車の今後はどのように予定されているのでしょうか。
売却か保存か…?動向が気になるところです。
新調地車は2019年完成予定ですので、現地車の見物は早めの方がよいでしょう。

ご閲覧有難うございました。

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