神戸市灘区春日神社 都賀地車

皆さんこんにちは。

今回は先日の(と、言っても少し日にちが経ちましたが)灘のだんじり祭りで見て大変感動した都賀地車について記事を書きます。

都賀地車は野堂北組先代で、大きな改造をされずに活躍しているため、野堂北組時代の様子を懐かしみながら見ることが出来るかと思います。

神戸市灘区春日神社 都賀地車

◆地車詳細
形式:大阪型
製造年:不明 (明治初期?)
修理年:大正10年
購入年:平成6年
大工:不明
彫刻:不明
修理大工:【住吉大佐】・【柳屋】?
修理彫刻:【彫清】三代目 柳原清三郎
歴史:野堂北組→都賀

参考)
 『大阪のだんじり』 監修:大阪地車研究会 企画・発行:社団法人大阪観光協会 昭和六十一年九月二十五日発行 

姿見

左が前方、右が後方。

飾目に八咫烏の彫刻と言えば野堂北組。現地車にもその題材が引き継がれています。
丸柱は大正10年の大修理で改められたもののようです。

側面より

波濤の台木に擬宝珠勾欄…張菜棒以外ほとんど手を加えられていないのが嬉しいところです。
勾欄には黒檀が用いられています。

斜め前より

破風

破風も野堂北組時代のままです。

市町・野堂東先代(現・東灘区森)と形状がよく似ていることや、大きな桁隠しを見る限り、柳屋の屋根ではないかと思うのですが、どうなんでしょう?

鬼板

上から
男屋根前方:『八咫烏』
男屋根後方:『雲海』
女屋根:『兎の餅つき』

八咫烏の詳細は他を参照してください。三本の足が特徴です。
杭全神社の御祭神である素盞嗚尊に絡めた題材でしょうか?

箱棟

上から
男屋根側:『雲海』
女屋根側:『雲海』

懸魚

男屋根です。
主懸魚:『麒麟』
桁隠し:『飛龍』

女屋根です。
主懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『麒麟』

車板

上が男屋根前方
車板:『雲海』
枡合:『雲海』
神額:『青龍』(新車楽 六十一翁書)

下が女屋根後方。
車板:『雲海』
枡合:『子・酉』

豪華な神額には目が釘付けになりました。
以下でもご紹介しますが、枡合や木鼻には十二支の題材が使われています。

枡合

右面です。
上が男屋根側:『未』
下が女屋根側:『戌』

左面です。
上が男屋根側:『申・蟹』
下が女屋根側:『亥』

題材は十二支ですが、猿蟹合戦と絡めているのでしょうか?

木鼻

上が前方
右面:『千鳥』
左面:『辰』

下が後方
左面:『亀・巳』
右面:『寅』

多くの木鼻は妻側・平側に2つ飛び出していますが、妻側・平側一体となったものが取り付けられています。
北河内型や最近の折衷型でも時々見られる仕様で、面白いと思います。

水引幕

水引幕:『阿吽の龍』

金具のところでも紹介しますが、丸に剣片喰は春日神社の社紋のようです。
この幕は都賀に来てから作られたものでしょう。

脇障子

左が右面:『?』
右が左面:『?』

絵振板

左が右面:『鷲?』
右が左面:『鷲?』

提灯でよく見えませんが、鷲のように見えます。
絵振板と言えば神戸型の仕様ですが、野堂北組時代から存在していたようです。

三枚板

正面:『素盞嗚尊八岐大蛇退治』

右面:『素盞嗚尊八岐大蛇退治』

左面:『素盞嗚尊八岐大蛇退治』

正面・右・左一体で八岐大蛇退治の題材です。

勾欄合

上が前方、下が後方。
勾欄合:『千鳥』

上が右面、下が左面。
勾欄合:『千鳥』

土呂幕

上が前方:『海の生き物』
下が後方:『?』

野堂北時代とは前後が入れ替わっており、この点だけ後ろに扉式の土呂幕が来る神戸型仕様に改められています。

右面です。
上が男屋根側:『海の生き物』
下が女屋根側:『海の生き物』

左面です。
上が男屋根側:『海の生き物』
下が女屋根側:『海の生き物』

海の生き物の題材が使われているのは、野堂北組が魚棚と呼ばれ、魚介類の商売を行っていた町であったことに由来します。

台木

上が右面、下が左面
台木:『波濤』

野堂北組時代に改修をした際に住吉大佐が関わったようです。
止めホゾではありませんが、これは住吉大佐が作ったものではないでしょうか。

要所

①枡組:彫刻が入り、手が込んでいます。
②鳴物:三枚板内側に摺鉦・男屋根側に大太鼓・女屋根側に半鐘の配置です。
③懐の跡:野堂北時代はここに梃子を差し込んで制動していました。今は使われていません。
④曳き綱:環はなく、曳き綱を台木にまわして直に出すタイプです。

金具

①破風:『丸に剣片喰、昇龍』
②垂木
③脇障子:『丸に剣片喰』
④灯篭
⑤勾欄親柱
⑥土呂幕周囲の金具

垂木や破風の金具は取り替えられていますが、多く残っている銀色の金具は純銀で出来ているようです。
大変豪華な仕様です。

都賀は灘のだんじり祭り、秋の本祭りと2回見る機会がありますので、まだ見たことが無い方は是非足を運んでみては如何でしょう。

最後までご閲覧頂き有難うございました。 

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