尼崎市初嶋大神宮 築地本町一丁目地車(先代)

皆さんこんにちは。

秋雨前線はどこかへ行き、朝晩が少し肌寒い秋らしい気温になりましたね。
今からこんなに寒くては11月のイベントはどうするんだ、といった感じですが…(汗)
曳き手の皆様は風邪など召されませんよう、ご自愛ください。

さて、今回ご紹介させて頂きますのは、尼崎市築地の本一地車です。
今年の祭礼終了後に知ったのですが、この地車での祭礼は今年が最後だったそうで…惜しくはありますが、来年どのような姿で登場してくれるのか楽しみでもあります。

数年前の写真ですが、運良く撮影していましたので、記事としてまとめさせて頂きます。

尼崎市初嶋大神宮 築地本町一丁目(つきじほんまちいっちょうめ)地車

◆地域詳細
宮入:初嶋大神宮
小屋所在地:築地五丁目交差点北西側。

◆地車詳細
形式:擬宝珠勾欄堺型
製造年:明治45年?
購入年:平成元年(平成2年より曳行)
改修年:平成元年
修理年:平成20年
大工:【萬源】木村源平
彫刻:【彫又】、小松源助
修理大工:寺井組
歴史:堺市和田→多治速比売神社に奉納→尼崎市築地本町一丁目

◆歴代築地本町一丁目地車
明治維新までは太鼓、大正初期から子供地車、現地車購入までは尼崎市北出屋敷より地車を借りる。
・現地車:堺型、多治速比売神社に奉納されていた地車を購入。


参考) 地車経緯・製造年・歴史について
 山車・だんじり悉皆調査 http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwanee/ 

姿見

左が前方、右が後方。

堺型なので、元より背は高いと思われます。 前方の通し柱が丸から角に変更されています。
古い地車ですが、木の色は明るく、金具も綺麗です。

側面より

擬宝珠が8つ、腰に柱が8本通った堺型。 太い駒と肩背棒は山合わせ仕様。
小屋根が折屋根、台輪に横ライン、妻側勾欄合が3つ、細長い脇障子、土呂幕の上下分割が無い、下勾欄親柱が八角形→萬源の地車の特徴ではないでしょうか。

破風

大屋根

小屋根

屋根端部は側面葺地と金具が交換されているため、オリジナルの形状とは少し異なりますが、切れ込みの跡があり、折屋根仕様です。

鬼板

大屋根前方:『獅子噛』

大屋根後方と小屋根は撮影出来ていませんが、類似した表情のようです。

懸魚

上から
大屋根前方:『飛龍』
小屋根:『鳳凰』

車板・枡合

上から
大屋根前方車板:『松に猿』
大屋根前方枡合:『青龍』
小屋根車板:『青龍』
小屋根枡合:『唐獅子』

虹梁・持送り

前方です。
虹梁・持送り:『唐獅子』

虹梁・持送りの部分が元・伊丹市大手町地車より移植した小松源助の彫刻になります。

枡合・虹梁・持送り

右面です。 上から
大屋根枡合:『牡丹に唐獅子』
虹梁・持送り:『唐獅子』
小屋根枡合:『唐獅子』

左面です。 上から
大屋根枡合:『牡丹に唐獅子』
虹梁・持送り:『唐獅子』
小屋根枡合:『唐獅子』

木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『唐獅子・漠』

全部で8体あり、左面に一体だけ漠がいます。

花戸口虹梁

枡合:『青龍』
花戸口虹梁:『武者』

脇障子

左が右面、右が左面。
脇障子:『武者』

三枚板

正面:『合戦譚』

右面:『加藤清正』

左面:『?』

摺出鼻

上が右面、下が左面。
摺出鼻:『松に猿』

鳥などの彫刻をよく見る場所ですが、お猿さんです。 松の幹が縁になっており、よく出来ています。

勾欄合

後方:『牡丹に唐獅子』

左面:『牡丹に唐獅子』

前方・右面は撮影出来ていません。

縁葛

後方:『合戦譚』

左面:『合戦譚』

前方・右面は撮影出来ていません。
欠損もあるかもしれませんが、かなり大胆に彫り抜かれています。

腕木

上が右面、下が左面。
腕木:『阿吽の唐獅子』

平側のみ撮影です。

土呂幕

上から
前方:『山水草木・猿』
後方:『武者』

山水草木の上に虎か何か居そうな気がしますが、よく見えません。 猿と虹梁のパーツは移植したもの?

右面:『合戦譚』

左面:『合戦譚』

持送り

持送り:『牡丹』

持送り

上から
右面:『虎』 左面:『猿』

松竹梅ではなく、動物の題材です。

下勾欄

右面:『波濤に鯉』

左面:『波濤に鯉』

台木

上が右面、下が左面。
台木:『波濤に鯉』

沢山の鯉が泳いでおり、豪華ですね。
今は芯金を台木と猫木で挟み、猫木は前後で別々になっていますが、元は前後一体の猫木に芯金を通していたと思われます。

小松源助の銘です。左面虹梁持送りの裏にあります。

金具

①葺地は唐草模様、垂木先に花角紋。
②肩背棒先に蔓柏紋と本一の紋。
③下勾欄親柱は八角形。
④妻側台木は金属製。

いかがでしたでしょうか?

今年は残念ながら尼崎に足を運べていないのですが…山合わせの際に素早く地車を取り回す本一の姿は強く印象に残っています。
この地車は何処かへ嫁ぐのでしょうか?それも気になりますね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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