
皆さんこんにちは。
今回ご紹介するのは先日、築地地区を訪れた際に撮影してきました丸嶋の地車です。 訪れた際に初めて知ったのですが、丸嶋地車は平成30年3月入魂予定で大改修を行うようです。
最近、築地地区のだんじりも綺麗に改修・新調された地車が増えてきましたので、どのような姿で帰ってくるのか楽しみですね。
入魂式の際には是非、当ページの改修前と画像と見比べてみてください。
それではご覧ください。
尼崎市初嶋大神宮 丸嶋地車 ◆地車詳細 形式:住吉型 製作年:1982(昭和57年) 購入年:1997(平成9年) 大工:池内福次郎 彫刻:木下頼定 歴史:堺市平井→尼崎市丸島
姿見

左が前方、右が後方。
平井時代は角型の肩背棒だったのですが、尼崎仕様に改修されています。
昭和後期と言えば池内工務店製作の折衷型が爆発的に世の中に誕生した時代…の印象がありますが、それはこの地車が作られた翌年を境に始まる話で、昭和57年の時点では鳳の野田(現在、生野神社地車講)・泉大津の上之町こそありましたが、まだ折衷型は流行りではなかったようです。
まだ流行りでなかったからなのか、当時の平井の皆様がこだわって住吉型を新調したのかは分かりませんが、この地車は岸和田型の要素(豪華な組み物や見送り)がほぼ無い住吉型となっています。

側面より

斜め前より
破風

端部は少しテリが効いています。
鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
獅子噛は毛の巻きは少なめ、厚みも控えめで、あっさりとした昔味です。
懸魚

大屋根:『鳳凰』
小屋根:『鳳凰』
車板・枡合

上から
大屋根前方車板:『宝珠を掴む青龍』
大屋根前方枡合:『雲海』
小屋根車板:『宝珠を掴む青龍』
枡合

右面です。
上が大屋根側:『牡丹に唐獅子』
下が小屋根側:『牡丹に唐獅子』

左面です。
上が大屋根側:『牡丹に唐獅子』
下が小屋根側:『牡丹に唐獅子』
木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子』
柱巻き

柱巻き:『龍』
車内枡合

車内枡合:『雲海』
花戸口虹梁

花戸口虹梁:『鶴』
脇障子

脇障子:『雲海』
三枚板

正面:『鬼若丸鯉退治』

右面:『?』

左面:『平景清錣引き』
角障子

左が右面:『武者』
右が左面:『武者』
摺出鼻

上が右面:『雲海』
下が左面:『雲海』
勾欄合・縁葛

上が前方、下が後方。
勾欄合:『波濤』
縁葛:『波濤に鯉』

上が右面、下が左面。
勾欄合:『波濤』
縁葛:『波濤に鯉』
縁葛の鯉は遠くからでも非常に目立つ作品です。
持送り

左が左面、右が右面。
持送り:『唐草模様』
土呂幕

前方:『合戦譚』

上が大屋根側、下が小屋根側。
右面:『合戦譚』

上が大屋根側、下が小屋根側。
左面:『合戦譚』
特にこの人物はこの人だ、といったものは無いような気がします。
下勾欄

上が右面、下が左面
勾欄合:『波濤』
下勾欄は一つ下の写真のように、肩背棒の支えを入れるため、少し縮小されています。
台木

上が右面、下が左面。
台木:『波濤』
差し上げやすいようにホイールベースが縮小されています。
金具

①破風:『唐草模様』
②垂木先:『菊紋』
③台輪先:『菊紋』
④脇障子兜桁先:『丸嶋』
⑤縁葛端:『唐草模様』
⑥安全柵:『菊紋に丸嶋の文字』
尼崎の地車で安全策が取り付けられているのは珍しいですね、しかし、怪我人を出さないためにも重要な装備だと思います。
いかがでしたでしょうか。 この地車は江戸や明治に作られた地車が多い築地地区の中では比較的新しいもので、改めて計算してみると生まれた平井の地で過ごした年数よりも丸嶋で過ごした年数の方が多くなっています。 すっかり丸嶋地車として定着しているだけに、より山合わせに適した仕様になるのか?どのように改修されるのか楽しみです。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。