枚方市日置天神社 南町・門口地車

皆さんこんにちは。

先日、三田市の宮本地車について記事を書きましたが、それに関連して今回は南町・門口地車の記事を書きたいと思います。 この2台は同じ住吉大源の作品で、似ている箇所がいくつか存在します。今回もそういったポイントに触れながらご紹介していきます。

さて、枚方市の日置天神社についても少し話しておきましょう。
マニアの方ならご存知かもしれませんが、境内に放射状に8台の地車小屋が並んでいる神社で、祭礼時には8台の地車が放射状に並ぶ姿を見ることができます。 どの地車も大きく改修が行われておらず、貴重な原型の姿を見ることができるので、地車本体をじっくりと見たい人には是非ともオススメしたい場所です。

日置天神社にある地車の多くは動かすために修理が必要で、現在も小屋から動けずにいる状態ですが、南町・門口地車は近年修理が行われ、唯一動かすことが可能となっています。

枚方市日置天神社 南町・門口地車

◆地域詳細
宮入:日置天神社
小屋所在地:神社境内
歴史:日置天神社には、惟喬親王(八四四~八九七)が交野ヶ原で遊猟したとき、愛鷹の姿が見えなくなったので、日没を惜しんで「日を止め置かせ給え」と天神に祈願したという伝承がある。
 中世におけるこの付近は、東高野街道筋に発達した集落(日置郷)として賑わい、社寺が甍をきそっていたという。しかし、南北朝期の動乱に際したびたび戦禍に見舞われ、十四世紀中頃には民家・堂塔ともに灰燼に帰したと伝えられる。その後十六世紀中頃、真宗八世蓮如の六男蓮淳を招いて当地を地内村(招堤寺内村)として再開発したおり、当社を寺内鎮守として再建したと伝える。
一九九五年 枚方市教育委員会神社境内の掲示より一部抜粋引用

◆地車詳細
形式:板勾欄出人形型 (擬宝珠勾欄改造)
製造年:1877年(明治10年)
大工:住吉大源
彫刻:【彫又】西岡弥三郎
歴史:枚方市百済王神社氏地→枚方市南町・門口

参考) 製造年・歴史について
山車・だんじり悉皆調査 http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwanee/
姿見

左が前方、右が後方。
擬宝珠勾欄へと改造されています。

側面より

斜め前より

斜め後ろより

破風

勾配が緩く、懸魚の高さは控えめ。桁隠しがつきます。 この点は三田市宮本地車とも大変よく似ています。

枡合

出三斗です。段の付き具合も三田市宮本地車と同じ。

鬼板

上から 大屋根前方:『獅子噛』 大屋根後方:『獅子噛』 小屋根:『獅子噛』
後方についている獅子噛は改修前の河内長野市上原地車のものによく似ています。 製作大工は異なるものの、恐らく同時期に誕生した地車と考えて良いのではないでしょうか。

懸魚

大屋根前方 懸魚:『鳳凰』 桁隠し:『鷲』

小屋根 懸魚:『鷲』
大屋根後方には懸魚はなく、小屋根側に桁隠しはありませんでした。

車板・虹梁

大屋根前方 車板:『青龍』 虹梁:『鷲』
二重虹梁になっており、下段は彫刻が入っています。

車内枡合

車内枡合:『雲海・龍』
水引幕でよく見えませんでしたが、彫刻が施されています。

枡合

小屋根:『牡丹に唐獅子』

枡合・虹梁

右面です。 上から 大屋根枡合:『牡丹に唐獅子』 大屋根虹梁:『鷲』 小屋根枡合:『唐獅子』

左面です。 上から 大屋根枡合:『牡丹に唐獅子』 大屋根虹梁:『鷲』 小屋根枡合:『牡丹に唐獅子』
お馴染みの獣の題材で統一。顔の欠損が無く、大変状態が良いですね。

木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子』
全部で10体あります。

柱巻き

まずは全体像から。

柱巻き:『?』
これだけでは何とも分かりませんね。 元々ついていたであろう板勾欄と一緒になって一つの題材だったかもしれません。

間仕切り

間仕切り:『竹に虎』
虎が一匹、中央に彫刻されています。
ラジカセが見えますが、曳行中はこれでお囃子と曳き唄を流していました。 せっかく子供達が曳いているので、太鼓や鉦を乗せて叩かせてあげれば…と思いますが、そういった雰囲気ではないのかもしれません。

飛獅子

飛獅子がついています。

脇障子

まずは全体像から。 舞台のようなものが取り付けられているタイプです。

脇障子出人形

脇障子出人形:『武者』
詳細な人物については不明。

三枚板

まずは全体像から。

正面:『漢高祖龍退治』
板勾欄型では定番の位置に定番の題材です。

右面:『天竺の班足王』

左面:『大己貴命鷲退治』
この3つの題材のセットは河内長野市野作地車が偶然にも全く同じです。

角障子

角障子:『武者』

摺出鼻

摺出鼻:『松』
根本は太く、台形に松の彫刻です。

旗台

旗台:『力神』
こちらでも旗を差しており、現役で活躍中です。

勾欄合・縁葛

勾欄合:『波濤に千鳥』 縁葛:『山水草木』

勾欄合:『波濤に千鳥』 縁葛:『山水草木』

勾欄合:『波濤に千鳥』 縁葛:『山水草木』
この付近は改造された箇所であることもあり、三田市宮本地車とは大きく異なります。 縁葛にも人物の彫刻はありません。

持送り

持送り:『山水草木』

貫腕

貫腕は三田市宮本地車と同様。 一つ渦で、中心から溝を追っていくと地車の横へと最終行きつく仕様。

土呂幕

上から
前方:『山水草木』 後方:『武者』

前方は扉式で山水草木。

右面 土呂幕:『武者』 下勾欄:『波濤に兎』

左面 土呂幕:『武者』 下勾欄:『波濤に兎』

下勾欄・台木

上が右面、下が左面。 下勾欄:『波濤に兎』 台木:『波濤に鯉』

台木まわりは三田市宮本地車と大変よく似ています。題材も同じです。

先端の形状。
止めホゾとなっており、波は細く、大半が戻る波。

墨書き

後方の縁葛の裏側にハッキリと大源の文字が見えます。 この地車は近年修理されましたが、改修大工さんもこの箇所は洗わずに残してくれたのでしょうか?
土呂幕にも墨書きがありますが、薄くなっていて殆ど読めません。

三枚板の奥板に巻物があります。 住吉大佐の板勾欄型にもよくこのようなパーツが取り付けられていますね。

昔は文字が書いてあったんだとか、今は全く読めません。

金具

①破風中央:『唐草模様』
②垂木先:『左三つ巴紋』
③台輪先:『唐草模様・花菱』
④脇障子舞台:『左三つ巴紋』
⑤縁葛端:『牡丹』
⑥スカート・引き綱環

いかがでしたでしょうか。

勾欄まわりが改造されていますが、オリジナルのパーツが状態よく保存されており、他の大工の地車とよく似ている彫刻もあることから何かしらの糸口が掴めそうな一台ですね。

動かすことが可能な地車である故、子供が誤って動かさないように曳行時間以外は小屋に納められ、立入禁止措置が取られていますので、見学は日曜日の午前中がオススメでしょうか。
興味を持たれた方は是非見に行ってみてくださいね。

最後までご閲覧いただきありがとうございました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。