堺市西区大鳥美波比神社 新在家地車

皆さんこんにちは。

今回は先月修復入魂式が行われた新在家地車を記事にしたいと思います。

新在家は言わずと知れた堺市鳳地区の地車で、時より歌われる木曽節に「エイサー」の掛け声、上地車一筋の伝統スタイルを貫き通していることで非常に人気の高い地区ではないでしょうか。かく言う私も新在家の大ファンであります。

先日の入魂式の様子を動画で見ていたら、居ても立っても居られなくなり、約9年前の2013年の写真しかありませんが、記事化したくなりましたので、書くことにしました。
当時はカメラの性能もそれほど良くなかったので、写真が一部お見苦しいかもしれないことをおことわりしておきます。

それではご覧ください。

堺市西区大鳥美波比神社 新在家地車

◆地域詳細
宮入:大鳥美波比神社
小屋所在地:会所に隣接

◆地車詳細
形式:折衷型
製造年:1977年(昭和52年)
大工:古谷國夫
彫刻:井尻翠雲

◆歴代新在家地車
・先代(初代):1846年(弘化3年)製作の堺型、現地車新調につき堺市菱木奥へ売却。菱木奥時代に改修を受け、その後河内長野市三日市北部へ。
・現地車(2代目):昭和52年新調、折衷型。

姿見

左が前方、右が後方

古谷國夫棟梁作の折衷型、他に例の無い唯一無二の作品です。
重厚な枡組が組まれており、立体見送りであることも踏まえ、岸和田型の要素がふんだんに取り入れられています。

側面より

前に2本突き出した閂が特徴あります。
閂自体は珍しいものでは無いですが、下地車化により徐々に数を減らしたことによって自ずと希少なものになっています。

腰回りはしっかりと擬宝珠勾欄が配置された平面土呂幕で、上地車の要素が強めです。

破風

しっかりと勾配のついた切妻型です。

枡組・隅出

隅出:『牡丹に唐獅子』

鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

ガラス目の井尻翠雲師の獅子噛です。
個人的には物凄く下を睨みつけている小屋根の作品を少し遠くから眺めるのが好きです。

箱棟

箱棟:『雲海』

懸魚・桁隠し

大屋根前方
懸魚:『義経八艘跳び』
桁隠し:『風神・雷神』

小屋根
懸魚:『五條大橋の出会い』
桁隠し:『烏天狗』

車板・枡合・虹梁

大屋根前方
車板:『鷲に孔雀?』
枡合:『富士の巻狩り』
虹梁:『神武東征』

車板の鷲は珍しく猿ではなく孔雀?を掴んでいます。

小屋根
車板:『親子龍』

枡合・虹梁

右面大屋根側
枡合:『因幡の白兎』
虹梁:『熊襲征伐』

虹梁は大鳥大社の御祭神、日本武尊に関する題材です。

右面小屋根側
枡合:『鶏』
虹梁:『唐子遊び』

左面大屋根側
枡合:『天乃岩戸』
虹梁:『素戔嗚尊八岐大蛇退治』

神話で埋め尽くされた屋根回りは大変私の好みです。

右面小屋根側
枡合:『鶏』
虹梁:『唐子遊び』

木鼻

上が右面、下が左面
木鼻:『阿吽の唐獅子』

親子になっていたり、珠を持ったり、バリエーション豊かです。
ガラス目が古風で良い味を出しています。

水引幕

水引幕:『龍』

刺繍入りの幕が似合うのも上地車ならではの良さです。

車内虹梁

車内虹梁:『神功皇后 応神天皇平産す』

間仕切り

間仕切り:『鳳凰』

脇障子

脇障子(前方):『安宅の関 勧進帳』

脇障子(後方):『安宅の関 勧進帳』

見送り

見送り:『賤ヶ岳の七本槍』

さぁ、醒ヶ井彫刻ワールド全開の見送りです!

見送り天蓋:『龍』

正面:『賤ヶ岳七本槍』

奥に太閤秀吉の姿が見えます。
見送りに限ったことではないですが、甲冑の弦走にある紋がどれも菊紋になっているので、人物の判別が悩ましいです。

右面:『賤ヶ岳七本槍』

左面:『賤ヶ岳七本槍』

大脇

大脇:『賤ヶ岳七本槍』

この面しか綺麗に撮れていませんでした、すみません。

大脇竹の節

大脇竹の節:『唐獅子』

摺出鼻

摺出鼻:『賤ヶ岳の七本槍』

こちらも見送りと繋がっていると見て良いのではないでしょうか。

勾欄合

勾欄合:『花鳥風月』

縁葛

縁葛:『忠臣蔵』

勾欄合も縁葛も綺麗に撮れておらず、すみません。

土呂幕

前方:『川中島の合戦』

後方:『秀吉本陣佐久間の乱入』

斜めでしか見えないので、少々怪しいですが、恐らくこの題材でしょう。

右面:『那須与一扇の的』

左面:『敦盛呼び戻す熊谷次郎直実』

大部分が下勾欄に隠れているので、この角度での撮影がやっとです。

下勾欄合

下勾欄:『花鳥風月』

台木

台木:『波濤に鯉』

台木:『波濤に鯉』

梃子掛けに隠れていますが、この題材です。
松良受がつき、水板がある豪華仕様です。

金具

①破風中央:『唐草模様に宝珠』
②破風傾斜部・破風端部:『昇龍・唐草模様』
③垂木先:『梅鉢紋』
④縁葛:『唐草模様』
⑤大脇兜桁先:『新在家』の文字。
⑥肩背棒先:『新』の文字。

台木に『近江 翠雲作』と銘があります。
いつまでも残っていてほしい台木です。

いかがでしたでしょうか。

魅力たっぷりの新在家地車、私も改めて見に行きたいところです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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