皆さんこんにちは。
新型コロナウイルスの影響で順延が決まった第6回宝塚だんじりパレード。
今年絶対見に行くぞと楽しみにしていたイベントの一つでしたが、こればかりは仕方ありません。
また来年?再来年?の開催を楽しみに待ちたいと思います。
しかし、見るはずだった宝塚型のだんじりが見れなくなっても、身体は宝塚型の話題を欲してしまう訳でして・・・
今回の記事は昨年の祭礼で見物し、何故もっと早く出会わなかったのか後悔するほど感動した川面西地車をご紹介したいと思います。
宝塚市皇太神社・川面神社 川面西地車 ◆地域詳細 宮入:皇太神社・川面神社 小屋所在地:川面公園横 ◆地車詳細 形式:宝塚型 製作年:明治15年 大工:粟田庄兵衛 彫刻:小松源助・小松源信 参考) 製造年・大工・彫刻師について 『山車だんじり悉皆調査』 http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwanee/
姿見
左が前方、右が後方
大型の地車です。
足まわりが細く、勾欄まわりからグッと大きく幅が広がる形状、分厚い破風が特徴です。
側面より
前後の柱スパンがほぼ均等で、大屋根と小屋根の段差が少ないのが特徴でしょうか。
斜め前より
斜め後より
前方の柱だけ、二階部分が丸柱になっています。
破風
分厚く重厚な破風です。
枡組
大斗肘木になっています。
鬼板
上から
大屋根前方:『双龍』
大屋根後方:『虎』
小屋根:『麒麟』
どれもオリジナルが残っており、素晴らしい作品揃いです。
獣の毛並みの荒々しさと活き活きした表情、とても魅力的です。
懸魚
大屋根前方:『鳳凰』
小屋根:『飛龍』
表情がとても活き活きとしています。
車板・枡合・虹梁
大屋根前方
車板:『天乃岩戸』
枡合:『干支 寅・卯』
虹梁:『牡丹』
小屋根
車板:『素戔嗚尊 八岐大蛇退治』
枡合:『干支 申・酉』
車板は前後とも神話の題材で統一、枡合は干支で統一されています。
枡合・虹梁
右面大屋根
枡合:『干支 辰・巳』
虹梁:『牡丹』
右面小屋根
枡合:『干支 午・未』
左面大屋根
枡合:『干支 子・丑』
虹梁:『牡丹』
左面小屋根
枡合:『干支 戌・亥』
車内枡合
車内枡合:『旭日』
木鼻
上が右面、下が左面
木鼻:『阿吽の唐獅子・獏』
妻側が唐獅子、平側が獏で統一されています。
柱巻き
柱巻き:『獅子の群遊』
鬼板も素晴らしいですが、この個性的な柱巻きにも目を惹かれました。
片方は獅子の子落としになっています。
右面側
柱巻き:『獅子の群遊』
左面側
柱巻き:『獅子の群遊』
流石浪速彫刻、獅子を含め獣の彫刻はピカイチですね。
100年経っても色褪せない魅力があります。
絵振板
絵振板:『牡丹に唐獅子』
花戸口虹梁
花戸口虹梁:『鶴』
恐らく車内の枡合とセットの意味合いがあると思われます。
柱巻き・脇障子
柱巻き:『龍』
脇障子:『石橋』
前柱のみならず、中央の柱にも柱巻きが取り付けられています。
非常に贅沢なつくりです。
水引幕
大屋根前方:『五瓜に唐花紋・左三つ巴紋』
大屋根右面:『鳳凰』
大屋根左面:『鳳凰』
見送幕
正面:『竜虎』
宝塚型と言えばふっくらとした見送幕が特徴です。
大きく竜虎の刺繍が施されています。獣の題材が大半を占めるこの地車にピッタリの題材ですね。
右面:『龍』
左面:『虎』
勾欄合・縁葛
前方
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
後方
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
見えにくいですが、この題材で良いと思います。
右面大屋根側
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
右面小屋根側
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
左面大屋根側
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
左面小屋根側
勾欄合:『竜宮伝説』
縁葛:『波濤に千鳥』
土呂幕・台木
上が前方、下が後方
妻側台木:『波濤』
金具には鍋野町・池田町と書かれています。
町村合併前の字名かと思い調べましたが、詳細は出ず。現在では会所に名前が残るのみです。
右面
土呂幕:『菱格子』
台木:『波濤に玄武』
左面
土呂幕:『菱格子』
台木:『波濤に玄武』
恐らく彫り替えられていると思われます。
土呂幕のあっさり具合に合わせてでしょうか、彫刻も主張が控えめのタッチになっています。
金物
①破風中央:『雲海に宝珠』
②破風傾斜部:『昇龍』
③破風端:『唐草模様』
④垂木先:『五瓜に唐花紋・左三つ巴紋』
⑤勾欄・縁葛端:『唐草模様』
⑥肩背棒先:『西の文字』
いかがでしたでしょうか。 古いものも多数あり、非常に魅力的な宝塚の地車。 なかなか他村と合わせたりすることが無いので、追いかけるのが大変ですが、毎年見たことが無い地車を減らすべく頑張っております。 昨年は川面・米谷・中山寺のだんじりを見に行きました。 川面のだんじりと言えば3台を境内の前に勢いよく曲げて据える宮入が最も見所かと思いますが、残念ながら今回はその時間には間に合いませんでした。是非いつか見てみたいですね。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。