
皆さんこんにちは。
今回ご紹介するのは門真市北島地車です。
先日行われた新元号記念曳行でこの地車の存在を知った方も多いかもしれません。
この地車が北島の地にやってきたのは実は最近の話です。
それまでは様々な町を転々としていましたが、それらの町で本格的な地車運営の礎を築いてきた、大活躍の1台であります。
それではご覧ください。
門真市堤根神社 北島地車 ◆地域詳細 宮入:堤根神社 小屋所在地:堤根神社御旅所に隣接 ◆地車詳細 形式:大阪型 製作年:不明 大工:不明 彫刻:【彫清】一門 一部別の地車の彫刻も取り付けられている。 歴史:?→東大阪市稲田南→八尾市竹淵→個人所有→柏原市老原→個人所有→生野区岡→個人所有→旭区中宮→門真市北島 個人所有時代…2011年には西宮市民祭りにも登場し、塩瀬地車(名塩と生瀬の合同)として曳かれた過去もある。 歴史について 参考)山車・だんじり悉皆調査 http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwanee/
姿見

左が前方、右が後方。
小ぶりな地車です。

側面より
土呂幕は幕式、大阪型のスタイルです。

斜め前より
前後に笹飾りが施され、祝儀袋が取り付けられています。
破風

オリジナルかどうかは不明です。
鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
辻田の彫りの獅子噛が取り付けられています。
これはオリジナルではなく、元・東大阪市御厨地車のものです。

大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
オリジナルの獅子噛はこちらです。
後の三枚板等を見ていただければ、同じ木の色合い・彩色であることがお分かりいただけるかと思います。
生野区岡の先代地車(解体)に取り付けられていました。
少しややこしいですが、生野区岡がこの地車を手放す際に獅子噛を取り外して次の地車のものと交換し、そのままになっている。
ということです。
箱棟

大屋根右面:『牡丹に唐獅子』

大屋根左面:『牡丹に唐獅子』
元は勾欄合であったであろう部材が取り付けられています。

小屋根:『雲海』
小屋根側は雲海模様となっています。
懸魚

大屋根前方
懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『唐獅子』
前方のみ桁隠しがつきます。

小屋根懸魚:『鷲に唐子』
こちらは今福北之町先代地車のものが取り付けられています。

レーザー技術を使い、先代地車を忠実に再現・新調した今福北之町の現地車。
ほぼ同じであることがお分かりいただけるかと思います。
車板

前方車板:『宝珠を掴む青龍』

後方:『親子獅子』

車内:『松に鷹』

右面大屋根側車板:『宝珠を掴む青龍』

右面小屋根車板:『牡丹に唐獅子』

左面大屋根車板:『宝珠を掴む青龍』

左面小屋根車板:『牡丹に唐獅子』
木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子』
右面の一番後ろのみ彫り変えられています。
脇障子

脇障子:『松に鷹』
三枚板

正面:『牡丹に唐獅子』

右面:『牡丹に唐獅子』
冒頭の画像にも使用しました。非常に良い彫刻です。

左面:『牡丹に唐獅子』
角障子

角障子:『龍』
縁葛

縁葛:『龍』
腕木

腕木:『唐獅子』
後方のみ勾欄持ちの彫刻がつきます。
勾欄合

勾欄合に彫刻はありません。
中央親柱に(小)市場と書かれています。
土呂幕・台木

土呂幕は幕式。
台木は素人の彫りですが波濤です。
金具

①破風中央:『宝珠』
②破風傾斜部:『唐草模様』
③破風端・垂木先『岡』の文字
④縁葛端:『唐草模様』
いかがでしたでしょうか? 小ぶりですが、本格的で良い彫刻を持つ地車でした。 北島の狭い道にもぴったりで、各地を転々とした地車ですが、今後も暫くは北島の地で活躍してくれることと思います。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。