皆様ご無沙汰しております。
しばらく記事を書かない間にブログのシステムが色々と変わってしまいました…
記事1つの最大容量が増えたのは助かりましたが、画像のデフォルト表示サイズが横幅560→700になっているため、以前の記事では画像が引き伸ばされているようです。
鮮明に見えないため、不快に感じるかもしれません、時間があれば修正していきます。
本来は別の地車の記事を用意していましたが、今週末に中茶屋の地車が抜魂するとの情報を入手しましたので、記事にすることにしました。
昇魂ではなく抜魂ということなので、改修されて帰ってくるのでしょう、楽しみです。
それでは中茶屋地車の記事をどうぞ
鶴見区八幡神社 中茶屋地車 ◆地域詳細 宮入:八幡神社 住所:鶴見区中茶屋1丁目12-19 歴史:地名は大阪の京橋と奈良の田原・生駒を結ぶ古堤街道と小阪街道の中継地点にあり、茶屋が点在していたことに由来する。(中茶屋1丁目16付近に道標あり) ◆歴代中茶屋地車 ・先代(初代?):茨田浜方面へ売却。数年曳行後、消息不明。 ・現地車(2代目?):昭和29年頃、鴫野南之町有力者の仲介で譲り受けた。 ◆地車詳細 形式:大阪型(幕式) 製作年:江戸末期 購入年:昭和29年頃 改修年:平成2~6年の間 大工:不明 彫刻:不明 改修大工:徳庵の大工【大八】(高さを縮めた) 追加彫刻:(土呂幕)徳庵の大工【大八】 参考) 地車購入年・改修大工・購入時詳細について 社団法人大阪観光協会『大阪のだんじり』 歴史について 鶴見区ホームページ…『大阪市 鶴見区 区名、地名の由来』
姿見
左が前方、右が後方
小~中型サイズの地車です。
平成の修理の際に破風を作り変えているようですが、オリジナルと大きく形状は変えていないと思われます。
大阪型らしい、横幅が少なく急な勾配の屋根をしています。
側面より
側面の勾欄合が8つ、長さは結構あります。
三枚板に彫物はなく幕式。幕式大阪型は個人的には好きですが、減少傾向にあります。
組物がなく、通し柱が軒桁に直結しています。
縁葛に彫刻がありません。
鬼板
上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方 :『獅子噛』
小屋根 :『獅子噛』
あまり見かけない顔な気がします。
懸魚
大屋根前方
懸魚:『朱雀』
桁隠し:『松に鶴』
懸魚は定番の獣系の題材です。
小屋根
懸魚:『猿に鷲』
桁隠し:『猿』
猿はかなりしっかりと鷲に掴まれて痛そうな構図。
車板
大屋根前方:『宝珠を掴む青龍』
大きな龍が彫刻されています、角は木製のようです。
車内車板:『唐獅子』
3枚重ねになっているようです。異なる場所の部品を集めて作られている?
小屋根:『阿吽の獅子』
側面車板
右面
上が大屋根:『吽の青龍』
下が小屋根:『牡丹に唐獅子』
左右共に、大屋根は青龍、小屋根は獅子として統一されているようです。
手前側に張り出して分厚く彫刻されています。良い作品です。
左面
大屋根:『阿の青龍』
小屋根:『牡丹に唐獅子』
小屋根左側の唐獅子は私のお気に入りとなりました。とても良い表情とポーズです。
木鼻
上が右面、下が左面。
木鼻:『唐獅子・力神』
花台
花台:『力神』
中茶屋は笹飾りをしていますが、ここには差していませんでした。
脇障子
脇障子:『虎退治』
後藤又兵衛、加藤清正でしょうか?
勾欄合
上が前方、下が後方
勾欄合:『富士の巻狩り』
上が右面、下が左面
勾欄合:『富士の巻狩り』
土呂幕
上から
前方:幕式
後方:『波濤に兎』
右面です。上から
大屋根側:『波濤に兎』
小屋根側:『波濤に兎』
こちらの兎は後方と異なってガラス目ではありません。
左面です。上から
大屋根側:『波濤に兎』
小屋根側:『波濤に兎』
こちらもガラス目ではありません。
土呂幕の彫刻は徳庵の大工【大八】によって追加されたもの。
即ち、元は三枚板・土呂幕共に幕式の地車です。
鴫野東ノ町先代・鴫野中ノ町同様、昔の鴫野によく存在していた幕式の形態を残しています。
台木
上が右面、下が左面
二枚ほぞでしっかり固定。
先端は文字は無いですが金具つき。下側はしゃくった際によく下がるように斜めに切られています。
木軸だった頃の名残でしょうか?埋め込みで、芯金位置が調整されています。
土呂幕横の行灯飾りは鶴見区・東成区・西淀川区以外ではあまりお見かけしません。
金具
①葺地・破風『梶の葉・左三つ巴紋』
②破風傾斜部:『龍・宝珠』
③葺地・垂木先:『唐草模様・左三つ巴紋』
④宝
⑤勾欄親柱
⑥肩背棒先:『中』の字
⑦台木先の金具
いかがでしたでしょうか?
記事内では伝わりませんが、中茶屋は青年を中心に老若男女揃って地車を曳行されており、地元に根付いた良いお祭りをされているなと感じました。
中茶屋の地車は秋祭りにしか出ないため、この機会に、是非一度行かれてみてはどうでしょうか?
中茶屋の皆様、地車を見せて頂き有難うございました。