皆様こんにちは。
今回ご紹介するのは旭区の別所町地車です。
守口市瀧井の先代地車で、瀧井時代の様子は他サイトを通じて知っていましたが、なかなか見に行く暇がなく、気がつけば瀧井は新しい地車を購入。「しまった!古い地車だし、解体されてしまったかもしれない…」と思っていましたが、ある日YouTubeに「新森まつり」の名前で地車曳行の動画が上がっていました。
新森は地車囃子が上手なことで以前より知っていましたが「地車は確か無かったような?」と、思いつつ見てみたところ、先代瀧井地車がそこに映っていました。
解体されず、生き残ってくれていたようです。
それではご覧ください。
大阪市旭区八幡大神宮 別所町地車 ◆地域詳細 宮入:八幡大神宮 住所:大阪市旭区清水3丁目20-19 ◆地車詳細 形式:大阪型(幕式) 製造年:江戸末期~明治初期 改修年:平成15年頃?(今から10年前、瀧井時代に修理したと伺った) 大工:不明 改修大工:梶内だんじり株式会社 彫刻:【彫清】一門 他 歴史:鴫野方面→守口市瀧井→旭区別所町 ◆地車詳細 形式:大阪型(幕式) 製作年:江戸末期~明治初期 改修年:平成15年頃?(今から10年前、瀧井時代に修理したと伺った) 大工:不明 改修大工:梶内だんじり株式会社 彫刻:【彫清】一門、他多数 歴史:鴫野方面→守口市瀧井→旭区別所町 ◆歴代別所町地車 ・先代(初代?):別所町新調かは不明だが、明治期製作の大阪型。 1910年頃電線に接触するため手放し、東大阪市森河内本郷へ。 ・現地車(2代目?):平成25年に守口市瀧井より購入。 ◆地車修理/内容 平成15年頃に梶内だんじり株式会社にて、台木を交換。
姿見
左が前方、右が後方
背はそれほど高くはありませんが、横幅があります。
その色合いからも古く、貴重な地車であることがよく分かります。
右面より
ロー&ロングなスタイルです。
別所町・地車と書かれた綺麗な提灯がつけられています。白や赤以外の鮮やかな提灯飾りもいいですね。
夜は曳行していないとのことで、残念ながら灯された状態は見れなさそうです。
破風
大阪方面ではあまり見られない、なだらかな傾斜をしており、懸魚はありません。
鬼板
上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
彫清一門の作品です。大屋根後方など勝五や猪飼野とそっくりですね。
車板
上から
大屋根車板:『吽の龍』
小屋根車板:『唐獅子』
どちらも元々この地車についていたものではなさそうです。
大屋根の龍はかなりの秀作で、胴体の部品も健在です。服部清七の作?
小屋根車板には元・桁隠しであろうの部品が見えます。
車板の話の続き
通し柱との接合部ですが、完全にオーバーサイズです。やはりどこか他の場所から持ってきています。
上が右面:『富士の巻狩』
下が左面:『富士の巻狩 仁田四郎猪退治』
細いスペースですが、富士の巻狩がしっかりと彫刻されています。
この彫刻は元々この地車についていたものかもしれません。
木鼻
上が右面:『獏』
下が左面:『獏』
細く小さく、荒い彫りですね。
おそらく3パターンで、①前方と大屋根右面、②大屋根左面、③後方、全て彫刻師がバラバラです。
勾欄付近
瀧井時代から気になっていた勾欄まわりです。独特のつくりですね。
叩き手は正面の1段下がった場所から乗り降りを行います。トコテン担当者は車内に入りきらないため、外から叩きます。
狭くても2丁鉦・トコテンを積む姿勢からお囃子への熱意を感じます。
三枚板 付近
三枚板には赤い幕がかけられています。
勾欄は床の上に乗っているというより、回りを囲っているといった感じです。
勾欄合に彫刻はありません。
土呂幕
前方は完全に塞がれています。
上に見える2本の少し手前に出ている部材が乗降口の勾欄を支えています。
側面は格子になっています。
瀧井時代にはむき出しでしたが、こちらでは赤紫の幕がかけられています。
台木
上が前方、下が後方
台木は色からして新しい木です。
妻台の下に車輪がついていますが、駒を抜いて保存する際に使うものでしょう。
上が右面、下が左面
通し柱が僅かに台木に引っかかっている程度で、殆ど外を通っています。台木交換の際に幅を狭くしたのでしょうか?
金具
①・②葺地・破風:『唐草模様・雲海』
③勾欄親柱・擬宝珠:『唐草模様』
④垂木:紋なし
⑤肩背棒先:『中』の文字
関連動画
いかがでしたでしょうか? 2年おきに地車を出すと伺いましたので、来年はもしかしたら見れないかもしれませんが、9月の第2土日には秋祭りが行われるそうです。まだ見たことがない方は是非。 また、「こりゃ、こりゃ!」の掛け声で終始担いで練り歩く枕太鼓もありますので、そちらも是非!かなり熱い祭りですよ! 当日お声かけ頂いた皆様、有難うございました。