尼崎市貴布禰神社 東櫻木地車

皆さんこんにちは。

今回はこれから大修理に入るとの情報が入りました、尼崎市東櫻木地車の改修前の姿を残しておくべく、記事を書きたいと思います。
私がこの地車を最後にじっくり見たのは丁度10年前で、現時点ともかなり差異があるようますが、かえってオリジナルに近い貴重な状態をしっかりと記録出来ていたので、やはり記録は残せる時に残しておくものだな…と思わされました。

それではご覧ください。

尼崎市貴布禰神社 東櫻木地車

◆地域詳細
宮入:貴布禰神社
小屋所在地:築地地区の小屋の一角

◆地車詳細
形式:元・北河内型
製作年:嘉永年間(1848~1854年)
購入年:1971年(昭和46年)
大工:不明
彫刻:小松源蔵
歴史:吹田市宮の前→尼崎市東櫻木

参考)
製作年・彫刻師について
山車・だんじり悉皆調査 http://www5a.biglobe.ne.jp/~iwanee/

姿見

左が前方、右が後方。

尼崎には様々な形式の地車が存在しますが、東櫻木は元・北河内型の地車です。
大型の地車をコンパクトサイズに変更しているので、部材や彫刻一つ一つが大きく、ガタイの良い印象です。

同じ尼崎市の築地本町三丁目地車も北河内型からの改造です。

斜め前より

破風

オリジナルが残っており、非常に分厚い破風です。

鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

今は全て彫り替えられてしまっているようですが、貴重なオリジナルを記録出来ていました。
マニアにはとにかくこれが堪らないですね。現代の作品とは一味も二味も異なります。
この風格は時代を経なければ得ることが出来ないですね。

懸魚

大屋根前方:『鳳凰』

小屋根:『猿に鷲』

車板

大屋根前方:『宝珠を掴む青龍』

小屋根:『谷越獅子』

右面大屋根側:『麒麟(欠損)』

右面小屋根側:『牡丹に唐獅子』

左面大屋根側:『麒麟(欠損)』

左面小屋根側:『牡丹に唐獅子』

北河内型の魅力はやはり大きく手前に張り出した獣の彫刻に他なりません。
この辺りは改修でどのようになるのでしょうか。
現代風に戦記や神話になるか、最近の北出屋敷地車のように同様の獣の題材でブラッシュアップされるか、楽しみです。

木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子・獏』

お恥ずかしながら小松一門の彫刻は特に勉強駆け出しの状態です。
小松源蔵の社寺彫刻の作品を少し調べましたが、作風の共通点が見出せず・・・この唐獅子・獏も小松源蔵の作品と見て良いものでしょうか?

花台・勾欄

まずは全景から。

花台

花台:『?』

唐子…でもなさそうですね、何なんでしょう?

車内車板・花戸口虹梁

車内車板:『牡丹』
花戸口虹梁:『牡丹』

脇障子

脇障子:『?』

左右で対になっていることが殆どなので、反対側も記録していれば何となく分かったかもしれませんが、撮り忘れ・・・

三枚板

正面:『敦盛呼び戻す熊谷次郎直実』

三枚板は土呂幕からの移設とのこと。平側土呂幕でしょうね。
こちらが平敦盛。

右面:『敦盛呼び戻す熊谷次郎直実』

こちらが熊谷次郎直実。

左面:『宇治川の先陣争い』

土呂幕と三枚板で柱スパンが同一なので、少なくとも小屋根側の作品は枠を入れる必要は無いと思いますが、全作品が枠で囲われています。

土呂幕

前方:『鯉の滝登り』

火燈窓の跡が伺えます。

後方:『牡丹に唐獅子』

比較的新しい作品が取り付けられていました。見かけない作風です。

下勾欄・台木

右面

左面

土呂幕・下勾欄・台木に彫刻はありません。
勾欄親柱の金具は古い大阪型でよく見かけるもの。製作会社はどこなのでしょうね。

いかがでしたでしょうか。

限られた題材で、撮り忘れ・題材不明等多く、すみません。
今回の改修でどのような姿になるのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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