猪名川町太刀脇神社 柏梨田地車

皆様、あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。

2019年最初の記事ですが、今回は猪名川町の柏梨田地車をご紹介したいと思います。

私がこの地車の存在を知ったのはつい最近のことで、板勾欄好きとしては是非見に行かねば!との思いで、昨年見に行ってきました。 祭礼日を一日間違えてしまいましたが、地車小屋を開けてくださいました自治会長様、ありがとうございました。

猪名川町太刀脇神社 柏梨田(かしうだ)地車

◆地域詳細
宮入:太刀脇神社
地車庫:柏梨田公会堂併設

◆地車詳細
形式:板勾欄出人形型
製造年:不明
大工:不明
彫刻:彫又一門 
姿見

前方より

擬宝珠勾欄型に改造されていますが、板勾欄型の面影があります。

破風

勾配が浅く、中央二分割で作られた破風。このタイプの形状の板勾欄型は多く存在しています。
しかし、桁隠しがあることには注目したいですね。桁隠しがつくものは少数派です。

鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

3面とも獅子噛の彫刻です。 大屋根後方は少し見慣れない顔ですね。
大屋根前方の顔はよく似たものを他でも見たことがあります。

大阪市生野区にある生野神社の太鼓蔵に飾られているものにそっくりですね。
こちらの獅子噛の歯の感じは大和高田市の高田地車のような雰囲気。

懸魚

大屋根前方
懸魚:『獅子』 桁隠し:『麒麟』

懸魚は鳳凰であることが多いですが、獅子。

大屋根後方 懸魚:『鷲』

一枚モノで鷲。

小屋根
懸魚:『鷲』

小屋根は翼・顔の部分が別パーツで構成された、より立体的な鷲。

車板・虹梁

車板:『青龍』 虹梁:『牡丹に唐獅子』

元々ついていた枡合が移設され(後述します)、車板が取り付けられています。 辻田の作でしょうか?いつの時点でどの地車の部品が取り付けられたか詳しくは分かりませんが、他の地車の部品が取り付けられているのは確かです。
虹梁は二重になっていません。

枡合

小屋根 枡合:『猩々』

右面です。 上から
大屋根枡合:『猩々』
大屋根虹梁:『牡丹に唐獅子』
小屋根枡合:『猩々』

左面です。 上から
大屋根枡合:『猩々』
大屋根虹梁:『牡丹に唐獅子』
小屋根枡合:『猩々』

枡合は全て猩々で統一されているようです。

天蓋

天蓋:『雲海』
格子の間が大きく、雲海の彫刻が施されています。

木鼻

上が右面、下が左面。 木鼻:『阿吽の唐獅子』
全部で6体あります。

脇障子

脇障子:『松』

改修により、現在のような枠が取り付けられました。 元々板勾欄の内側に二重勾欄で擬宝珠勾欄が通っていたであろう窪みが左右共に残っています。

間仕切り

間仕切り:『谷越え獅子』
間仕切りの両サイドに長く伸びる形状を活かした作品ですね。

三枚板

正面:『漢高祖龍退治』
これは板勾欄型にはお決まりの題材ですね。

右面:『武者』

左面:『武者』

右面と左面に関しては題材不明。 大柄な武者は大きさを考えると、元からこの位置に居た可能性がありますが、小柄な武者は元々大屋根下側に取り付けられていた部品かもしれません。

角障子

角障子:『松』

摺出鼻

摺出鼻:『松』 大きいサイズの摺出鼻です。

後方妻台木

旗台は取り外されていました。

勾欄合

前方:『波濤に千鳥』

右面:『波濤に千鳥』

左面:『波濤に千鳥』

持送り

持送り:『波濤』

柱には過去に太鼓正で修理をした銘が残っています。 3、40年程前に修理したと伺いました。銘にも国鉄環状線芦原橋駅前の文字がありますので、間違いないですね。(国鉄解体は1987年)

土呂幕

前方:『山水草木』

扉式で山水草木、こちらもよく見るタイプ。 元々大屋根前方にあった枡合はこの場所に移設されています。

後方:『武者』

右面:『武者』

左面:『武者』

後方・側面土呂幕は全て武者で統一されています。

台木

右面:『波濤』

左面:『波濤』

止めホゾ仕様。 猫木もオリジナルで、昔の木軸だった頃の穴がそのまま残っています。
下勾欄は取り外されたのか、存在していません。

要所

左上:枡組
右上:虹梁
左下:虹梁
右下:貫腕

金具

左上:破風中央 左三つ巴紋
右上:兜桁・垂木先 左三つ巴紋
左下:勾欄 左三つ巴紋
右下:肩背棒 ねじり金物・留め具

いかがでしたでしょうか?

猪名川町で現在も曳かれている唯一の地車…修理以前の詳しいことはよく分かりませんでしたが、どのような経緯でこの地までやってきたのか、類似する地車はないか、とても興味深い一台ですね。

自治会長様、当日は大変お世話になりました。ありがとうございました。 

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