皆様こんにちは。
今回は今月初めにお別れ曳行が行われた勝五(勝山北五丁目)地車をご紹介したいと思います。
勝五地車は地元大工の永田熊次郎の手により作られました。 永田熊次郎の手により制作された地車は他にも猪飼野・舎利寺地車などがありますが、地元で製作された生粋の大阪型地車はそう多くは存在せず、貴重な地車であることは間違いないでしょう。
以前より新調の話が出ていることは知っていましたが、今年の夏祭りは見に行くことが出来ず、生野まつりは中止となり、先日のお別れ曳行も見に行くことが出来ませんでしたので勝五地車は暫く見ることが出来ていません。
今回使用している写真は数年前に撮影し、画質も今使用しているカメラより良くないものが多いですが、しっかり記録を残しておきたいと思いましたので、記事にさせて頂きます。
それではご覧ください。
大阪市生野区御幸森天神宮 勝五地車(先代) 現・大阪市都島区櫻宮神社御旅所 楠(善源寺)地車 ◆地車詳細◆ 形式:大阪型 製作年:明治22年5月 大工:【大熊】永田熊次郎 彫刻:【彫清】 参考) 大阪市生野区:勝五の地車(勝山北五地車保存会) (生野区 あれこれ_生野の地車(だんじり)とふとん太鼓) http://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000000163.html
姿見
左が前方、右が後方。
サイズは小ぶりですが、恐らく新調当時とほぼ変わらない姿で存在し続けていることに感動します。
肩背の小路の文字は旧村名の名残です。
破風
傾斜は急で、蓑甲の間隔が広いです。
大きな桁隠しがあることで、屋根回りはかなりボリュームがあるように見えます。
鬼板
上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
3つとも表情が異なります。
懸魚・桁隠し
大屋根前方
懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『青龍』
小屋根
懸魚:『松に鷹』
桁隠し:『飛竜』
妻側車板
上から
大屋根前方:『宝珠を掴む青龍』
小屋根:『牡丹に唐獅子』
花戸口虹梁
花戸口虹梁:『鶴』
平側車板
右面
大屋根側:『阿の龍』
小屋根側:『牡丹に唐獅子』
左面
大屋根側:『吽の龍』
小屋根側:『牡丹に唐獅子』
木鼻
上が右面、下が左面
木鼻:『唐獅子・力神』
大屋根下、前から2番目は提灯に隠れて撮れず。全部で10体あります。
飛獅子
大屋根と小屋根の間にも唐獅子。
脇障子
脇障子:『虎退治』
水引幕
正面
右面:『鷹』
左面:『竹に虎』
勾欄合・縁葛
前方
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:『牡丹に唐獅子』
後方
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:『牡丹に唐獅子』
右面
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:『牡丹に唐獅子』
土呂幕
妻側:『波濤に千鳥』
平側:『波濤に千鳥』
台木
角台木で、彫刻はありません。
金具・要所
①破風端:『模様なし』 大熊で製作された地車独特の金具のように思います。
②脇障子兜桁:『梅鉢紋』
③勾欄親柱:『雲海・龍』 こちらも大熊で製作された地車独特の金具のように思います。
④小屋根下の幕の内側には小太鼓奏者のスペース
⑤懐
いかがでしたでしょうか。 一応、勝五地車は新調すると聞いているのですが、この地車の行方はどのようになるのでしょうか。 何処かへ嫁ぐのであれば、是非もう一度しっかりと見てみたいところです。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。