
皆様こんにちは。
今回ご紹介するのは守口市北寺方地車です。
元・和泉市上泉地車で、守口市では珍しい板勾欄型地車です。
現在は改修が行われ擬宝珠勾欄型となってしまいましたが、板勾欄時代の写真で北寺方地車をご紹介したいと思います。
それではご覧ください。
守口市産須那神社 北寺方地車 ◆地域詳細 宮入:産須那神社 ◆地車詳細 形式:板勾欄出人形型 (2017年4月23日より擬宝珠勾欄型) 製作年:1926年(大正15年) 購入年:2008年(平成20年) 大工:立石庄一郎 彫刻:彫又一門 歴史:和泉市上泉→守口市北寺方
姿見

左が前方、右が後方。
上泉時代に彫刻を再利用して組み上げられた地車です。
板勾欄型の中では大きい方に分類されるかと思います。

側面より。

斜め前より。
破風

屋根周り、懸魚は新しいものに交換されています。
鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
懸魚

上から
大屋根前方:『飛龍』
小屋根:『松に鶴』
車板・枡合・虹梁

大屋根前方
車板:『雲海』
枡合:『雲海』
虹梁:『松に鶴』

小屋根
車板:『雲海』
枡合:『牡丹に唐獅子』
枡合・虹梁

右面大屋根側
枡合:『唐子遊び』
虹梁:『松に鶴』
右面小屋根側
枡合:『唐獅子』

左面大屋根側
枡合:『唐子遊び』
虹梁:『松に鶴』
左面小屋根側
枡合:『牡丹に唐獅子』
木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子』
一部飾り付けに隠れて撮影出来ず。全部で10体です。
柱巻き・板勾欄

まずは全景から。
柱巻き

柱巻き:『?』
飾りや垂れ幕でよく見えませんが、佐久間の乱入?
出人形

出人形:『武者』
花戸口虹梁

花戸口虹梁:『珠取り獅子』
恐らく元は旗元に使われていた部材でしょう。
脇障子人形

脇障子人形:『大黒・恵比寿』
脇障子

脇障子:『合戦譚』
三枚板

正面:『漢高祖龍退治』

右面:『長坂橋の張飛』
張飛に斧のイメージは無いですが、橋が絡むとなるとこれかなぁ?といった感じです。自信はありません。
同じ題材を持つ地車として東大阪市の春宮があります。

左面:『?』
右は大己貴命のようにも見えますが、その場合元は大鷲退治であった可能性も?
摺出鼻

摺出鼻:『松』
角障子

角障子:『合戦譚』
土呂幕

前方:『山水草木』
後方:『合戦譚』

右面大屋根側:『合戦譚』
右面小屋根側 :『合戦譚』

左面大屋根側:『合戦譚』
小屋根側は撮影忘れ
持送り

左が前方、右が後方。
台木

下勾欄:『波濤』
台木:『波濤』
台木は彫り替えられています。
製作大工特定の鍵となる貫腕は交換されていますが、模様はオリジナルを復刻しているようにも見え、その場合、住吉大佐の作に施されるものに類似しているように見えます。
金具

①破風中央部:『雲海に宝珠』
②破風傾斜部:『昇龍』
③垂木先:『梅鉢紋』
④宝
⑤縁葛中央:『牡丹』
⑥縁葛端:『牡丹』
⑦肩背棒先:『北』の文字
要所

①隅行肘木に彫刻が施されています。一部グループにしか見られないものです。
②側面の板勾欄は人形が取り払われています。
③北寺方ではこのゴムのクッションを力強く地面に当ててしゃくります。
④泉州で活躍していた証拠の後ろ梃子の装備が伺えます。
いかがでしたでしょうか? 守口市で活躍する数少ない元・泉州の地車。 古い板勾欄型は焼却されてしまったもの、行方が分からなくなっているものがある中で、姿は大きく変わっても彫刻が生き続け、現在まで辿り着いたこの地車はある意味強運の持ち主なのではないかと思います。 今年は締め直し・改修も行われ、今後も末永くこの地で曳行されることが期待できそうです。 最後までご覧いただき、有難うございました。