松原市河合神社 河合地車

皆さんこんにちは。

2026年一発目の図鑑記事です。
今回ご紹介しますのは松原市河合地車で、言わずと知れた元・泉大津市田中町の先代地車かつ、折衷型地車第一号であります。

この地車については田中町時代に多少撮影はしていたのですが、もう10年以上前のことで画質も悪く、撮影枚数も十分ではありませんでしたので、昨年の祭礼で改めて取材を行わせていただくことにしました。
河合に嫁いでからは13年が経過したようで(早い!)、私自身も13年以上ぶりの再会だったのですが、田中町時代から大きく姿は変わっておらず、昭和6年生まれの貫禄ある佇まいをしていました。

偶然ですが、昨年の祭礼後に工務店入りして改修工事が現在行われているようですので、改修前の良い記録になっています。
どのような姿になって戻ってくるか楽しみですね。

それではご覧ください。

松原市河合神社 河合地車

◆地域詳細
宮入:河合神社
小屋所在地:河合公民館の南側すぐ

◆地車詳細
形式:折衷型(第1号)
製作年:昭和6年(1931)
購入年:平成24年(2012)
大工:【大宗】植山宗一郎
彫刻:吉岡義峰 森曲江 黒田正勝 木下舜次郎 松田正幸
歴史:泉大津市田中町→松原市河合

◆歴代河合地車
初代:彫忠作の子供地車。現在も所有しており、昼曳行と夜曳行で二代目地車と使い分けて曳行されている。
二代目:折衷型。平成24年に泉大津市田中町より購入。

姿見

左が前方、右が後方。

冒頭でも書きましたが、閂タイプの肩背棒や脇に逸れて取り付けられているブレーキ等、田中町時代の姿のまま活躍しています。
試験曳きの日に伺いましたが、旗をつけていませんでしたので、後方からの姿もよく撮影できました。
小屋根は破風のテリがまるで神戸型のように大きいですね。

側面より

折衷型第一号にしてこの完成形・・・植山宗一郎棟梁の苦労は計り知れないものがあります。

足回りに合わせ柱を採用することで台幅を広げて、下方はどっしりとした安定感を、上方は立派な組み物が入り屋根へ向かって徐々に広がっていく美しさを得ています。
岸和田型様式の立体見送りが上地車で初めて採用されています。

斜め前より

斜め後より

破風

大屋根は切妻型になっています。

枡組

5段2手先で組まれています。

鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

獅子噛はオリジナルを参考に、昭和63年の大修理時に中山慶春師の作品に彫り替えられています。

箱棟

箱棟:『雲海』

懸魚・桁隠し

大屋根前方
懸魚:『義経八艘飛び』
桁隠し:『雲海』

懸魚は昭和56年の修理時に木下頼定師により復元新調されたものです。

大屋根後方
桁隠し:『雲海』

小屋根
懸魚:『鎮西八郎為朝の剛弓』
桁隠し:『龍』

車板・虹梁

大屋根前方
車板:『猿に鷲』
虹梁:『大江山の鬼退治 頼光の木渡り』

大振りな猿に鷲の彫刻が格好良いですね、よく見ると上方にも驚いた様子の猿が居ます。

小屋根
車板:『素戔嗚尊八岐大蛇退治』

小屋根側は神話から題材を得ています。

虹梁:『?』

枡合・虹梁

右面大屋根側
枡合:『?』
虹梁:『大江山の鬼退治 頼光主従二瀬川で官女に道を尋ねる』

枡合は弁慶ではありそうですが、題材はよく分からず。

右面小屋根側
枡合:『安宅の関』
虹梁:『龍』

右面大屋根側
枡合:『平景清錣引き』
虹梁:『大江山の鬼退治 頼光の舞』

左面小屋根側
枡合:『村上義光錦旗奪還』
虹梁:『龍』

小屋根虹梁の龍が古風で格好良いです。

木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『親子獅子』

大屋根側が全身彫刻で親子、小屋根側が半身彫刻で親子です。
大屋根側は子獅子も合わせると3匹おり、大変細かい作品となっています。

間仕切り

花戸口虹梁:『鶴』
間仕切り:『雲海』

脇障子

脇障子(前方):『加藤清正山路将監組討・本能寺の変』

どちらも縦長の構図を活かした題材が採用されています。

脇障子(後方):『難波戦記』

後方側は見送りに題材を合わせてあります。

見送り

まずは全景から。

見送り:『難波戦記』
縁葛:『太閤記』

真正面に1体人形が配置されています。

右面
見送り:『難波戦記』
縁葛:『太閤記』

右面側の馬乗りです。

この雑兵が一際目を惹きました、舜さんでしょうか。

左面
見送り:『難波戦記』
縁葛:『太閤記』

左面側が最も人形が充実しています。

やはり地上で戦っている雑兵達の表情がどれも良いです。

 

 

大脇

右面(前方):『難波戦記』

大脇は昭和63年の改修時に中山慶春師の作品に彫り替えられています。

左面(前方):『難波戦記』

右面(後方):『難波戦記』

左面(後方):『難波戦記』

大脇竹の節

大脇竹の節:『親子獅子』

見送りの雑兵もですが、ここも私の好きな彫刻です。

摺出鼻

摺出鼻(外側):『難波戦記・牡丹に唐獅子』

摺出鼻(内側):『難波戦記・牡丹に唐獅子』

摺出鼻は珍しく複数の題材が採用されています。

旗台

旗台:『牡丹に唐獅子』

岩隠れの獅子が彫刻されています。昔は彫清一門が車板の彫刻によく施したりしていました。

勾欄合・縁葛

前方
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:なし

当て板を取り付けていた名残で前方は縁葛の彫刻がありません。

右面
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:『太閤記』

分かりやすい尼崎の難はこの面に彫刻されています。

左面
勾欄合:『二十四孝』
縁葛:『太閤記』

土呂幕

前方:『秀吉本陣佐久間の乱入』

扉式になっています。
昭和63年に木下賢治師により彫り替えられたものです。

後方:『後藤又兵衛』

土呂幕・下勾欄

右面大屋根側
土呂幕:『?』
下勾欄合:『波濤』

右面小屋根側
土呂幕:『加藤清正』
下勾欄合:『波濤』

左面大屋根側
土呂幕:『巴御前』
下勾欄合:『波濤』

左面小屋根側
土呂幕:『?』
下勾欄合:『波濤』

下勾欄で見えにくいですが、土呂幕は時代や物語の縛りは無く、様々な時代の英雄を彫刻しているようです。

台木

右面:『波濤』

左面:『波濤』

生き物はおらず、波単体の彫刻が楽しめる作品となっています。

金具

①破風中央:『唐草模様に宝珠』
②破風傾斜部:『昇龍』
③破風端部:『唐草模様』
④破風端部:『唐草模様』
⑤垂木先:『田』の文字。ここにも田中町時代の名残を見つけることが出来ました。
⑥脇障子兜桁:『左三つ巴に河合の文字』
⑦縁葛端部:『花菱紋』
⑧肩背棒先:『左三つ巴紋』

いかがでしたでしょうか。

私自身久しぶりの見学となりましたが、銘地車の風格は嫁いでからも健在でした。
貴重な折衷型第一号地車、これからも大切にされ、現役であり続けて欲しいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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