西宮市名塩八幡神社 名塩大西町地車

皆さんこんにちは。

前回、尼崎の地車の記事を連続で書くかも…と言っておきながら早速違った記事を書いております。すみません。
と、言いますのも、今週末、名塩大西町の地車が改修を終えて入魂式を行うとの情報が入ってきましたので、比較用に急いで記事を用意することにいたしました。

実は私が名塩のだんじりを知ったのは名塩大西町がきっかけで、生野八坂神社宮附地車(現・守口市瀧井地車)が名塩大西町の先代地車にあたる、といったところで名塩のだんじり祭を知りました。

大西町のだんじりは名塩の中では東之町に次いで2番目に新しい地車で、平成7年に八尾の川井工務店で製作されています。
川井工務店生まれの地車は比較的数が限られており、平成4年に大阪市野堂北組・平成9年に大阪市野堂東組・平成12年に東大阪市足代地車が作られていますが、大西町の地車はこれらの地車と彫刻の雰囲気等がよく似ています。
その辺りにも少し触れながら記事にしています。

それではご覧ください。

西宮市名塩八幡神社 名塩大西町地車

◆地域詳細
宮入:名塩八幡神社
小屋所在地:名塩西ノ口交差点を南西に少し行ったところ

◆地車詳細
形式:大阪型
製作年:平成7年
大工:川井工務店
彫刻:不明(井宮勇造?)

◆歴代名塩大西町地車
先代(初代?):大阪型。現地車新調に伴い車楽会へ。その後、生野八坂神社地車→生野八坂神社宮附地車→守口市瀧井地車となる。
・現地車(2代目?):大阪型。平成7年に八尾の川井工務店にて新調。

姿見

左が前方、右が後方。

オーソドックスな大阪型の姿見をしています。
急坂・狭い道が多いため、サイズは控え目となっています。足回りに急坂対応の装備が見られますので、後ほどご紹介します。

側面より

見送り・土呂幕共に幕式になっています。

斜め前より

破風

分厚い切妻型の破風です。
桁隠しが取り付きますが、桁隠しの先端が下方で絞ってあるのが特徴かと思います。

枡組

シンプルな出三つ斗組になっています。

鬼板

上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

3面それぞれすこしずつ表情が異なります。
冒頭で紹介しました、大西町の2年後に製作された野堂東組地車と表情がよく似ています。

箱棟

箱棟:『龍』

懸魚・桁隠し

大屋根前方
懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『麒麟』

小屋根
懸魚:『控鶴仙人』
桁隠し:『飛龍』

懸魚・桁隠しは昔ながらの上地車らしく、獣の題材が主となっています。
後方は仙人の題材が採用されており、より古風な印象です。

車板・枡合

大屋根前方
車板:『宝珠を掴む青龍』
枡合:『牡丹に親子獅子』

小屋根
車板:『司馬温公の甕割り』
枡合:『親子龍』

枡合の獣の彫刻がいずれも親子になっているのが特徴です。

枡合

右面大屋根側:『子英』

右面小屋根側:『蝦蟇仙人』

左面大屋根側:『黄安』

左面小屋根側:『鉄拐仙人』

平側はいずれも仙人の題材で統一されています。

木鼻

上が右面、下が左面。
木鼻:『阿吽の唐獅子』

いずれも半身彫刻となっています。

水引幕

前方:『大西』の文字。

大西の文字が刺繍されています。
正面の小田原提灯は名塩のだんじりで多く採用されているものです。

右面:『土蜘蛛退治』

左面:『羅生門の鬼退治』

左右は退治モノの題材で統一されています。とても良い幕ですね。

脇障子

脇障子:『蝦蟇仙人・鉄拐仙人』

枡合にもありましたが、蝦蟇仙人と鉄拐仙人が大きな面で再び登場しています。

見送り幕

正面:『珠取り龍』

提灯で少し見えにくくなっていますが、上からの龍と下からの龍が睨み合う構図になっています。

右面:『珠取り龍』

左面:『珠取り龍』

勾欄合・縁葛

勾欄合・縁葛に彫刻はありません。

土呂幕

前方:『波濤に千鳥、大・西』の文字。

土呂幕は全面幕式になっています。
急坂が多い名塩の土地ではブレーキが重要…とのことで、肩背棒に座る方がどちらもブレーキを踏めるように大きなペダルのブレーキが搭載されています。

四方巻きが台木だけではなく、柱にも巻いてあるのが特徴ですね。

後方:『波濤に千鳥、大・西』の文字。

面白い位置に第二の肩背棒があるなと思い、動画を見ていますと、急坂を上る際に、中に入って低い姿勢で肩背棒を押す人と、通常通り肩背棒を押す人の二重の体制で地車を押すことが出来る仕様になっていました。

これも急坂が多い名塩の地車故の装備ですね。

右面:『波濤に千鳥、大・西』の文字。

左面『波濤に千鳥、大・西』の文字。

台木に彫刻は無く、2枚ホゾで猫木は前後分割仕様になっています。

金物

①破風中央:『左三つ巴紋』
②破風傾斜部:『唐草模様』
③破風端部:『唐草模様』
④垂木先:『丑』の文字。大西町地車の注目ポイントの一つで、旧村名の『丑の子』に由来する金具が取り付けられています。
⑤縁葛端部:『唐草模様』
⑥脇障子兜桁:『大西』の文字。

いかがでしたでしょうか。

かなり直前での記事化になってしまいましたが、皆さまの見学の助けになれば幸いです。
いよいよ秋祭りシーズン開幕となります、今年も良い天気で開催されると良いですね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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