藤井寺市伴林氏神社 伴林地車

皆様こんにちは。

たまには新しい地車もご紹介したいということで、近年新調された地車で私が良いなと思った伴林地車を記事にしたいと思います。
入魂式に見たいと考えていたのですが、生憎の雨で地車はシートにくるまれ、見物を断念した記憶があります。
しかし、翌月には市制50周年記念パレードが開催され、帰路の休憩時間にじっくりと見物することが出来ました。

それではご覧ください。

藤井寺市伴林氏神社 伴林地車

◆地車詳細
形式:折衷型
製作年:2016年 (平成28年) 9月18日入魂式
大工:板谷工務店 (棟梁初の折衷型上地車)
彫刻:木下彫刻工芸

◆歴代伴林地車
(先代):藤井寺市伴林→藤井寺市沢田 

姿見

左が前方、右が後方

折衷型ならでは、柱から屋根にかけて広がる形状が大変美しいです。
腰周りは低く、柱が長い印象です。大きな太鼓が積めそうですね。

大屋根が入母屋型の折衷型は折衷型新調ラッシュの昭和末期~平成初期においても切妻型より数が少なく、平成12年の池内工務店製作の濱寺元町を最後にしばらく途絶えていました。
しかし、平成26年に北本工務店製作の池之原、植山工務店製作の上田町、平成28年に板谷工務店製作の伴林、と短い期間に3台も誕生し、流行りが来ているか!?と期待させられたものです。
現状その後は切妻型の新調が続いていますが、今後の折衷型のデザインに引き続き注目したいところですね。

側面より

角障子と三枚板の境界は見せず、同一の題材で彫刻をぎっしりと詰め込む。
前後一続きの縁葛と土呂幕。
最近のトレンドのように感じます。

破風

入母屋屋根・二重破風・扇垂木となっています。

堺市宮山、河内長野市下西代など改修で金具有りから無しに変更した上地車がありますが、最近は大阪市野堂町南組など、はじめから屋根に金具をつけないで誕生している上地車がいるのも面白いですね。

鬼板

大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

箱棟

箱棟:『龍』

懸魚・桁隠し

懸魚・桁隠し:『天乃岩戸』

懸魚・桁隠しを一体の題材として人物を配置するのも最近のトレンドのように感じます。
最近では泉大津市の濱八町など、少し前の時代に作られた折衷型が一体の題材に交換している例もあります。

懸魚・桁隠し:『日輪・月輪』

懸魚・桁隠し:『醍醐の花見』

枡組

隅出:『唐獅子』

隅出は大屋根・小屋根共に唐獅子で統一。

車板・枡合・虹梁

大屋根前方
車板:『国生み』
枡合:『大蛇退治』
虹梁:『富士川合戦 藤吉郎初陣』

小屋根
車板:『…弥右衛門』
枡合:『高松城水攻め』

小屋根車板は地元にまつわる題材でしょうか?すみません、文字がよく読み取れませんでした。

枡合・虹梁

右面大屋根側
枡合:『神武東征』
虹梁:『石川五右衛門千鳥の香炉盗り』

※大きめの画像を用いていますので、是非拡大してご覧になってください。

右面小屋根側
枡合:『四天王但馬守勇力』

左面大屋根側
枡合:『道臣命』
虹梁:『長篠の戦い』

※大きめの画像を用いていますので、是非拡大してご覧になってください。

道臣命は伴林氏神社の御祭神です。

左面小屋根側
枡合:『尼崎ノ難』

木鼻

上が右面、下が左面
木鼻:『阿吽の唐獅子』

それぞれ異なるものを持たせています。
遊び心があって良いですね。

間仕切り

間仕切り:『手水舎』

恐らく伴林氏神社の手水舎でしょう。地元ならではの題材。

脇障子

脇障子:『関ヶ原の戦』

脇障子:『関ヶ原の戦』

角障子

角障子:『関ヶ原の戦』

三枚板

正面:『関ヶ原の戦 島左近の奮戦』

瞼の描き方に特徴があるような気がします。

右面:『関ヶ原の戦 島津義弘』

島津義弘です。

やられ役の武者、腹のところには槍が。

左面:『関ヶ原の戦 大谷吉継奮戦』

大きな三枚板のスペースをしかも三面とも使って関ヶ原の戦いが彫刻された地車は伴林地車が初ではないでしょうか。

摺出鼻

摺出鼻:『牡丹に唐獅子』

勾欄合

上から前方、右面、左面
勾欄合:『千鳥』

縁葛

前方:『矢矧橋の出会』

後方:『清洲会議』

右面
前方:『日吉丸、小六の知恵比べ』
後方:『草履取り』

左面
前方:『藤吉郎 おねと結婚』
後方:『清洲城割普請』

土呂幕

前方:『雑賀孫一 石山合戦』

犬勾欄

犬勾欄:『唐獅子』

土呂幕

後方:『佐久間盛政 秀吉本陣へ乱入』

定番の題材ですが、やはりこの題材は遠くから見ても非常に栄えますね。

折角なので、お顔側からも撮影。

右面:『加藤清正 山路将監討つ』

加藤清正です。

左面:『福島正則勇戦』

福島正則です。

馬から転げ落ちてしまう武者。

旗台

旗台:『青龍』

昔の地車は台幅いっぱいまでスペースを使ったものをよく見かけますが、最近の旗台は小型です。

台木

台木:『波濤に鯉』

要所

①妻側垂木(下段):『唐獅子』
②破風:『雲海に織田木瓜紋』、垂木先:『伴・林』の文字
③脇障子兜桁:『織田木瓜紋』
④勾欄:『織田木瓜紋』
⑤縁葛端:『白地に牡丹に唐獅子』
⑥肩背先:『伴林』の文字
⑦肩背先:『織田木瓜紋』
⑧曳綱環は2つ、安全柵に『織田木瓜紋』

いかがでしたでしょうか。

ブログタイトルは先代地車探訪記ですが、たまには現地車、新しい地車も記事にしていきたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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