皆様こんにちは。
昨日に引き続き、もう一台。 今回ご紹介するのは守口市大枝獅子講地車です。
守口市の地車は村の祭礼とは別に毎年5月に開催される”守口市だんじり祭”のお陰でとても見物しやすいですよね。 大枝獅子講地車も守口市だんじり祭に参加しているため、ご存知の方はかなり多いのではないかと思います。
そんな大枝獅子講地車ですが、現在修理が行われており、その完成お披露目が非常に楽しみであります。
今回使用している画像は全て修理前に撮影したものなので、修理完成時に見たいポイントの予習・比較に使っていただけたらと思います。
それではご覧ください。
守口市大枝神社 大枝獅子講地車
◆地域詳細
宮入:大枝神社
小屋所在地:神社境内
◆地車詳細
形式:大阪型
製作年:明治時代
購入年:2008年(平成20年)
大工:不明
彫刻師:長谷川亀蔵?
歴史:大瀬村(現・生野区小路東)→東大阪市近江堂→守口市大枝
近江堂は大瀬村より大正3年、金二百円で仕入れる。
参考) 歴史について
郷土文化財大阪地車研究会 『祭に生きる大阪のだんじり』
姿見
左が前方、右が後方。
小ぶりなサイズの大阪型です。
過去に修理を受けているようですが、恐らく寸法等は大きく変えておらず、オリジナルに近い状態のようです。
側面より
枡組がなく、柱・桁が直接仕口で組まれています。古い大阪型ではよくあることですね。
台木は交換されています。
破風
しっかりと勾配がついた形状で、桁隠しもつきます。
鬼板
上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』
3面とも獅子噛です。 左右非対称なところが生き物らしく、良いですね。
マニアの間では長谷川亀蔵の作では?と言われています。
箱棟
上が大屋根・下が小屋根
箱棟:『龍・飛龍』
大屋根側は恐らく顔が欠損? 小屋根側は大屋根後方の獅子噛と睨み合う構図になっています。
懸魚
大屋根
懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『飛龍』
定番の神獣シリーズです。
小屋根
懸魚:『猿に鷲』
桁隠し:『猿』
車板
前方:『宝珠を掴む青龍』
右面:『阿の龍』
左面:『吽の龍』
どれも手前に大きく飛び出して彫刻されており、迫力がありますね。
車内車板
車内車板:『鶴』
木鼻
木鼻:『力神・阿吽の唐獅子』
仕口の継手部分を隠すように、あるいは桁を支えているように見えるよう、唐獅子の上に力神がいます。
飛獅子
飛獅子が取り付けられていました。
構造がシンプルで部品点数は多くないですが、このような細かい部分への配慮に製作大工の心意気を感じます。
欠損せずに残っているのも嬉しいですね。
脇障子
脇障子:『昇龍・降龍』
縦に長い構図を上手く利用して昇龍・降龍の彫刻が施されています。
三枚板
正面:『牡丹に唐獅子』
車板と三枚板が一体となって構成されています。
以前記事にした大阪市鶴見区の安田地車も同じ仕様ですね。
宝の取り付け方も獅子に咥えさせることで他の地区とは一味変わっていて面白いです。
右面:『牡丹に唐獅子』
左面:『牡丹に唐獅子』
大きな獅子が額いっぱいまで彫刻されています。唐獅子好きの私にはとても嬉しい作品です。
角障子
角障子:『昇龍・降龍』
こちらも脇障子同様に縦に長い構図を活かした題材。
勾欄合
前方:『唐獅子』
後方:『唐獅子』
右面:『唐獅子』
左面:『唐獅子』
全て唐獅子で統一されています。
縁葛
縁葛:『波濤』
1枚モノで波濤です。
土呂幕
前方:『青龍』
新しい作品のようです。
後方:『竹に虎』
右面:『竹に虎』
左面:『竹に虎』
オリジナルのものはどれも竹に虎で統一されています。
台木
右面:『波濤』
左面:『波濤』
金具
①破風中央部:『唐草模様に左三つ巴紋』
②破風勾配部:『昇龍』
③破風端:『唐草模様』
④垂木先:『左三つ巴紋』
⑤勾欄親柱:『唐草模様』
⑥肩背棒先:『大・枝』の文字
⑦肩背棒金具止め:『菊』
いかがでしたでしょうか。 守口市だんじり祭りが始まり、祭礼が盛んになって以来でしょうか。 北寺方・八雲南・瀧井が地車を購入、南寺方・南十番が地車を新調、北寺方・大枝が地車を改修… と、近年の守口市は地車の変わり様が激しいですね。 大枝の地にこの地車が来てから10年が経過しましたが、綺麗になった地車で迎える今後の10年も良い歴史となると良いですね。 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
お披露目曳行が少しだけあるのでよければ17日の午前中にお越しいただけると見れると思います!
たかはる様
情報ありがとうございます。
天気予報では小雨なので少し不安ですが、綺麗になった地車のお披露目楽しみにしております。
今福北之町の寸法を教えて欲しいです
コメントありがとうございます。申し訳ございません、私ではわかりかねます。
他のサイトもいくつか見てみましたが、寸法の情報は載っていないようです。