大阪市生野区田島神社 田嶋地車

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※ヤフーブログからの移行記事のため、画質等荒いことがあります。ご了承願います。

生野区田島神社 田嶋(たしま)地車

◆地域詳細
宮入:田島神社
住所:生野区田島3-5-34
歴史:昔、今川と平野川の合流地点だったこの場所は稲作が盛んで田んぼが広がっていた。
その田んぼに次第に集落ができ、田の中の島→田島と呼ばれるようになった。

◆地車詳細
形式:住吉型
製造年:明治32年
購入年:大正5年
大工:住吉大佐13代目川崎佐太郎
彫刻:【彫清】
改修大工:河合工務店
改修彫刻:ミドー製作所

◆地車経緯
先代(初代)
明治9年新調、住吉大佐11代目川崎仙之助作。
明治21年の宮入時に鳥居に衝突し、鳥居が倒壊。死者が出てしまったので、堺市北王子(先々代にあたる)に売却。その後は堺市八田地区に売却。

現地車(2代目)
先代売却以来地車曳行が途絶えていたが、大正3年に大正天皇即位御大典で近隣の村が地車を出したことに触発され、村の若者を中心に地車購入の意欲が高まる。
深江新家で大佐の地車を見つけると、若者は懇願し、村の若頭の仲介で165円で購入。深江新家の初代地車?参考社団法人大阪観光協会「大阪のだんじり」

◆地車修理/内容
昭和12年、28年、50年に修理。(平成の大改修前の貴重な写真がT様のサイト『だんじり小屋』にあったのでリンクを貼らせて頂きます。生野祭り-1昭和52年生野昭和52X年生野)

平成17年、河合工務店にて大改修。
基礎全て、車板・枡合・虹梁・三枚板・小屋根拝懸魚・隣懸魚以外全て新調。
交換された彫刻は地車小屋奥に展示保存。


参考)
社団法人大阪観光協会「大阪のだんじり」、生野区ホームページ『田島の地車(田島地車保存会)』

姿見

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左が前方、右が後方

元は角型の肩背棒を取り付けていました。
大阪型の仕様で懐付きの角台木、旗設備が省略されています。

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側面より

側面からの姿見は明らかに大阪型とは異なります。
枡組が入り、二重虹梁になっています。

破風

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オリジナルではなく、河合工務店で復元されたものです。

鬼板

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上から
大屋根前方:『獅子噛』
大屋根後方:『獅子噛』
小屋根:『獅子噛』

復元された作品で、彫清の表情にかなり近づけてあります。
オリジナルのものは最後に載せてあります。

箱棟

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箱棟:『飛龍』

見落としがちな箇所ですが、かなり立体的で細かい彫刻が施されています。
改修前は大屋根は水龍、小屋根は鳳凰の題材でした。

懸魚・桁隠し

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大屋根前方
懸魚:『鳳凰』
桁隠し:『梅に鴬』

こちらも復元彫刻で、鳳凰は正面を向いているのが特徴です。
桁隠しの梅は細かいですね。

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小屋根
懸魚:『猿に鷲』
桁隠し:『鶴』

こちらは貴重なオリジナルの彫刻です。

木鼻・飛獅子

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上が右面、下が左面
木鼻:『阿吽の唐獅子・獏・梅』

いずれも復元彫刻です。
かなりバリエーションが豊富で、大屋根後方の籠彫りで梅は古風です。

柱巻き

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柱巻き:『霊水龍』

こちらも復元彫刻で、改修前と同じ題材です。
大阪市内で柱巻きに龍を施した地車は少数派で、生野区では田島だけです。

車板

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大屋根前方:『青龍』
小屋根:『夫婦唐獅子』

貴重なオリジナルです。

枡合・虹梁

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右面
大屋根枡合:『猿』、虹梁:『青龍』
小屋根枡合:『麒麟』

こちらも一部欠け継ぎはありますが、オリジナルを残してくれています。
獣の種類が豊富で、どれも肉厚でたくましいです。

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左面
大屋根枡合:『猿』、虹梁:『青龍』
小屋根枡合:『麒麟』

脇障子

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脇障子:『昇龍・降龍』

武者ではなく、龍になっていました。
角障子も同じ題材ですから、柱巻き・脇障子・角障子と龍を沢山見ることができます。

三枚板

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正面:『秀吉の雄姿』

三枚板は大阪の地車らしく太閤記でまとめられています。

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右面:『前田犬千代』

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左面:『加藤清正の勇戦』

角障子

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角障子:『昇龍・降龍』

左面の龍は宝珠を掴んでおり、大変格好いい作品です。

勾欄合・縁葛

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上2つが前方、下2つが後方
勾欄合:『忠臣蔵』
縁葛:『牡丹に唐獅子』

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上2つが右面、下2つが左面
勾欄合:『忠臣蔵』
縁葛:『牡丹に唐獅子』

どれも彫り替えられています。
元は勾欄合:『富士の巻狩』、縁葛:『波濤に兎』の題材でした。

土呂幕

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上が前方、下が後方
妻側土呂幕:『波濤に兎』

元は武者でしたが、題材が変更されています。
前方は扉式で改修前の名残があります。

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上が右面、下が左面
平側土呂幕:『波濤に玄武』

台木

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左面:『波濤』

角台木・二枚ホゾ、獣の彫刻はありません。

要所

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①枡組:出三斗組です。
②脇障子上:竹の節飾りがつきます。
③車内: 宝は太鼓の上にありました。
④鉦:鉦は1丁です。
⑤雪洞:市内では珍しく雪洞飾りをつけています。
⑥縁葛端金具:『唐草模様』 全て白地なのが特徴です。
⑦腕木:オリジナルとは異なります。
⑧曳綱環: 環ではなく、取り外しが容易なフックになっています。

保存されているオリジナル部品

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①・②破風
③腕木の獅子?
④⑤⑥獅子噛:彫清の獅子噛です。
⑦柱巻き:今ついている作品よりはかなり控えめです。
⑧柱巻き・御幣:金の布製御幣です。

保存されている部材に関する銘板がありましたので、以下に記載します。

保存の趣旨
此処に保管する彫刻は明治三十二年地車と共に製作された大切な彫刻であります。
この度平成の大修復に伴い新しく補修された彫刻に変えて明治の貴重な作品を保管して後世に伝承すべく保存するも早有ります。
百有四年の幾星霜を経てその気品溢れる誠実な技巧に驚嘆を覚え其の躍動感は明示の彫刻師たちの職人魂が偲ばれ今尚衰える事は有りません。
田嶋の町衆が氏子町民の宝として今日迄大切に伝承された崇高の精神に現代の私たちは忠実にお応えし
保存は与えられし責務として保管品の目録を作成し証しといたします。
平成十七年十月吉日
大阪市生野区田嶋地車保存会
会長 当町住人 田中康博 著
目録
一、大屋根破風造り           壱妻
一、破風飾目(睨み獅子)         参面
一、正面左右柱巻(霊水龍)        弐柱
一、高欄四面欄間彫刻(富士の巻狩)    十八面
一、大屋根 小屋根箱棟(鳳凰水龍)    四面
一、破風受け神獣像           壱対
一、太鼓上欄間藤明翔図         壱枚
一、基台(泥台)上欄間(武侍合戦図)    五面
一、壇上火頭窓形彫刻          四面
一、本体金具製品一式          箱納
一、本金締縄(昭和十二年調達)      壱張
一、銘鉦(明治三十七年鋳造作者銘入り)  壱鉦
一、高欄受け獅子頭           四頭
右、物品、彫刻一切移動を禁止します。  以上
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現在使用中の地車付帯用具宝物について
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一、大太鼓(明治十七年調達二代目)
一、銘鉦(昭和五十三年注文調達五代目)
一、本金締縄(昭和五十年新調二代目)
一、神宝巻物 初代明治五十二年調達
一、 〃 〃 二代目平成の大修復に伴う
一、三枚板彫刻 初代より現在へ
一、脇障子四隅火炎水龍 初代より
一、正面破風下大龍 初代より
一、本体左右上部破目板 初代より
右、田嶋地車の要点を記しましたが伝承する大切さを念願に入れ 細心の注意を以って扱う事をお願い申し上げます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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